幼児の通信教育は多くありますが、2歳から始められる通信教育となると限られてきます。ウェブサイトを見ていて良さそうな教材も対象年齢が自分の子供と違うとガッカリです。また、いくつかある教材の違いも専門的で分かりづらいですよね。
今回は次の条件を満たす通信教育を厳選して違いを比較しました。
- 月々の支払いが数千円以内
- 毎月家に届く
- 途中で退会できる
- 返金が可能
- 入会金なし
- 送料不要
最初に、そもそも論として「通信教育の選び方」もまとめました。まずは未就園児にとっての通信教育の選び方を見て、その後に比較に移りたいと思います。
通信教育の選び方(未就園児の場合)
未就園児と一言で言っても新生児から3歳くらいまでと幅広い言葉です。この数年は特に変化が大きいため、どのような教育をしてあげるかも年齢・月齢によって大きく変わります。もちろん通信教育の選び方も大きく異なります。
そこで通信教育の比較に移る前に、そもそもどうやって選べばいいのか? という視点をまとめました。
0・1歳の玩具の選び方
通信教育で0,1歳に対応しているサービスは少ないのが現状です。今回厳選した中ではこどもちゃれんじ一択です。通信教育の選び方というよりは、おもちゃの選び方にも通ずる内容をまとめました。
安全かどうか
これは誰に言われなくても絶対気になりますよね。とりあえず最初にクリアしておきたいと思います。以下の安全性を気にかけるとよいでしょう。
- 口入れても飲み込むことができないくらいサイズが十分あるか
- ハムっと噛んだ拍子にタグなどが外れて誤飲しないよう強度が十分か
- 口入れても安全な塗料・染料が使われているか
一人目のお子様の場合は気を遣っていても、二人目になるとお兄ちゃんお姉ちゃんが使っている(小さい)おもちゃを口に入れてしまってヒヤッとすることもあるので、改めて気を付けたいです。
未就園児の通信教育を決める3つの仕掛け
ここからは0歳から3歳までの未就園児に通ずる通信教育の選び方をまとめておきます。
仕掛け1:自分でできた!と思える仕掛けがある
乳幼児の場合は特に自己肯定感を育ててあげることが教育目的になります。赤ちゃんなら「自分で物がつかめた!」とか「聞きたかった音が出せた!」とか、大人からすれば些細なことで自己肯定感が育ちます。
何歳で何ができた、という話はママ友や託児所などで出会った他のママと話題に上がることもあると思いますが、この段階での遅い早いは気にしなくても問題ありません。
子どもが出来たことを「出来たね」と認めてあげるツールとして、通信教育の教材を使って遊ぶというのは、家庭内における教育的な活動になります。
仕掛け2:興味を掻き立てる仕掛けがある
子どもに限らず興味が持てないものを学ぶことは難しいものです。かっこいい車やかわいいプリンセスなどの絵があるだけでも子どもの興味を掻き立てるケースもあります。
大それた仕掛けでなくとも、ちょっとした気配りが施されている教材を選びたいところです。ここは子どもが何に興味を示すか家庭によって違うので、ご自分の子どもに特化して考えてみてください。
自分の子供が何に興味を持つのか、科学者のように興味を持って取り組むと楽しめます。
ただし、冊子のワークなどはどんなに魅力的なキャラクターや楽しそうな迷路・クイズが用意されていても、導入は親が手伝うケースがほとんどです。完全に自発的に取り組むというのは(少なくともいきなりは)無理でしょう。
どんなに「1人で遊べる仕掛け」が沢山あるといっても、ある程度は親がサポートする必要があります。
仕掛け3:飽きさせない仕掛けがある
どんな教材でもやがては飽きます。とくに子どもが小さければ小さいほど成長速度が早いので、子どもにとって昨日は学びに満ち溢れていた教材も、今日はすでに分かりきった過去のものになっていることもあるでしょう。しかし、モノによっては十分に学ぶ前に飽きてしまって本来の学習効果を得られない教材もあります。それは経済的にももったいないので、ほんの少しでも飽きさせない工夫が施されている教材を選びたいところです。
次章からは実際の通信教育の比較に移っていきます!
こどもちゃれんじ
ポピー
がんばる舎
始めやすさの比較
以下では、気になるポイントごとにサービスを比べてみました。具体的には次の視点から項目をまとめて比較しています。
- 始めやすさ:価格と支払い方法
- 続けやすさ:教材の特徴と一人で遊べる度、サポート体制
- 辞めやすさ:退会と休会
始めやすさ:価格
まずは経済的な側面から比較しました。
こどもちゃれんじ (ぽけっと) | ポピー (ももちゃん) | がんばる舎 (すてっぷ) | |
評価 | |||
月々 | 2,379円(税込) | 980円(税込) | 800円(税込) |
一括 | 23,760円(税込) | 11,170円(税込) | 8,800円(税込) |
価格はがんばる舎とポピーが圧倒的に安いです。
こどもちゃれんじは玩具(エデュトイと呼びます)やDVDが含まれているせいか、一つ上の価格帯です。ただ特別高いという訳ではなく、通信教育では月々2000円前後は相場の範疇です。がんばる舎とポピーが安いのです。
始めやすさ:月々の支払い方法
支払い方法についてはお手持ちのクレジットカードが使えるか確認しておくと継続する際にストレスフリーです。
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 | |
クレジット カード | |||
口座引落 (自動引落) | |||
郵便振込 | |||
コンビニ振込 |
お好みの支払い方法があるか要確認です。簡単に総括すると以下のようになります。
- こどもちゃれんじなら、どんな支払い方でも大丈夫
- ポピーなら、毎月クレジットカードで払えるけどコンビニは使えない
- がんばる舎なら、毎月コンビニで払えるけどクレジットカードは使えない
始めやすさ:一括払い方法
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 | |
クレジット カード | |||
口座引落 (自動引落) | |||
郵便振込 | |||
コンビニ振込 |
一括払いと毎月払いで支払い方法が異なる会社があるので要注意です。こちらも簡単にまとめると以下のようになります。
- こどもちゃれんじなら、どんな入金方法でも大丈夫
- ポピーなら、コンビニ振込のみ
- がんばる舎なら、郵便振込かコンビニ振込
続けやすさの比較
最重要ポイントとなるのが、続けやすさ。どのサービスも専門家によって学習効果が研究されていますが、それも続けてこそ初めて成果が上がるものです。どのサービスが続けやすいかを次の観点から比較しました。
- 教材は色々な子どもの興味を引くような多角的な構成か
- どういった成長を期待して作られた教材か
- 教科のバリエーションはどうか
- 一人で遊べるか(親の関わりがどのくらい必要か)
- サポート体制はどうか
興味を引く構成かという項目以外は「親視点・開発者視点」の続けやすさですが、これには理由があります。結局の所どんなに子どもが興味を持つ工夫が施されていても、合う合わないは生じます。「うちの子には合ってない」「お、食いついた、意外」というのは実際にやってみないと分からないものです。
とはいえ「やらなきゃわからない」では比較記事の名折れですので、せめて「どんな工夫がなされているか」「親目線から見てどうか」というポイントにフォーカスしてまとめました。
続けやすさ:多角的な構成か
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 |
未就園児に限らず、子どもの興味は多様です。言うまでもなく一人ひとり食いつくポイントが違いますし、日によっても違うなんてこともザラです。
多角的な教材構成のメリットは、子どもの興味を掻き立てやすいという点にあります。毎回同じ刺激を与えるのではなく、今回は紙媒体、次は映像、次は音で興味を持たせて遊ぶように学ばせることができるのです。
もちろん絵本が好きな子は絵本であればいつでも興味深く学習(≒遊び)に取り組むかもしれません。しかし、そんな子でも時にはリズムに心が踊ったり、かわいいキャラクターの玩具で慈しむ心を育んだりと、様々なタイプの刺激によって更に成長を促進できます。
この点ではこどもちゃれんじが一歩有利(その分、他社より高いわけですが……)です。こどもちゃれんじでは紙媒体だけとっても中身にクイズや迷路、間違い探しや切り貼りするゲームに塗り絵に文字の練習とバリエーションが豊かです。加えて、エデュトイ(玩具)やDVDなどもあります。さらに通信教育の教材以外にもテレビや動画サイトで「しまじろうのわお」が放映されていたり、しまじろうのコンサートや映画など、マルチアプローチ性を大切にしてくれています。
<こどもちゃれんじ>はエデュトイ(玩具)や絵本、DVDなど様々なメディアを組み合わせる「マルチアプローチ」の手法によって、お子さまの興味が続きやすく、理解しやすい内容になっています。
こどもちゃれんじ よくある質問
多角的であるメリット
色々な教材が用意されているメリットをまとめると次のようになります。
- 飽きにくい(飽きても復活しやすい)
- 好きなことが定まってないなら、色々な刺激を与えて子どもの「好き」を発見できる
- 子どもの知ってる世界が広がる
- 一つの教材が無反応でも、別の教材には反応するかもしれないので失敗しづらい
続けやすさ:期待できる成長
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 |
子どもの「やりたい」気持ちを引き出し、「自分でできる力」を伸ばす | 家庭学習を支援して「自ら学ぶ力」と「学習習慣」を身につける | 親子がいつも一緒にリビング学習をすることにより親子の絆も深まり、家庭環境をよくする |
最近の通信教育の流れとして「自分でできる」はメインテーマです。こどもちゃれんじとポピーは顕著です。
こどもちゃれんじについては「多角的な構成か」でも述べましたので割愛します。
ポピーでは、かわいい冊子を用意して子どもの興味を引く努力をしてくれています。可愛らしい冊子が特徴的です。ミニ絵本も毎月付いてきます。玩具などはないですが、親子で楽しめる冊子の作りになっています。
がんばる舎の送付物は「勉強!」というイメージの強いワークシートが送られてきます。キャラクターなどを削ぎ落としたストイックなドリルといった印象です。このシンプルさはむしろメリットとなっており、がんばる舎ファンからは「この簡素なワークがいい」という声が多いです。
続けやすさ:教科のバリエーション
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 | |
主教材 | 伝える力、数量・形の理解、科学する心、人との関わり、習慣づくり、表現する力 | こころ、あたま、からだ、しつけ | 言葉、数・量、図形、記憶、知識、作業、よみもの |
副教材 | 英語、知育、表現、リズムダンス、読み聞かせ | – | – |
教科のバリエーションは用語の定義が各社で異なるので厳密に○×では表記できませんが、簡単にまとめると次のようになります。
- こどもちゃれんじは、言葉や数などの勉強系に加えて、生活習慣や自然環境など手広い。また、有料のオプションが豊富なので家庭の教育方針に合わせられる
- ポピーは、言葉や数などの勉強系に加えて、生活習慣や自然環境なども学べる。ミニ絵本が付いてくるので読み聞かせもできる。
- がんばる舎は、言葉や数なので勉強系に特化しているが、問題の中で生活習慣や自然環境などにも触れてくれている。
続けやすさ:一人で遊べるか
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 |
未就園児の場合は一人で遊ぶのも限界があるという前提で、上記のように評価しました。
こどもちゃれんじでは映像系が用意されているので○としました。DVD(またはウェブ)で視聴できる教材は視覚・聴覚の刺激が強いので、多くの子どもが興味を惹かれます。
ポピーでは冊子などは可愛いですが、やはり親子で一緒にやる前提です。ただミニ絵本などは(文字は読めなくても)一人でジッと見つめていることもあります。とはいえ、やはり一緒にやる方が多いでしょう。
がんばる舎は未就園児が一人で遊ぶには難易度が高すぎますので、親子でやることが前提条件ですので、ここでは×になっています。
続けやすさ:サポート体制
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 |
育児のサポートをどこまでしてくれるかをもとに評価しました。
ポピーでは育児の相談用のフリーダイヤルを用意してくれており、学習や育児にとどまらず友人関係などの相談もできます。しかも教育対話主事という独自の専門家を設置して相談に対応してくれています。この教育対話主事はママ向けの講演会やイベントでも登壇する専門職です。この人達と子育ての相談が無償でできるというだけでもポピー会員は魅力です。
なおかつ、ポピー診断という育児に関するアドバイスをレポートで提出してくれるサービスもあります。30問ほどの質問に答えるとレポートが仕上がるというものです。
また、毎月「ほほえみお母さん&お父さん」という育児冊子も送付してくれます。こういった情報誌に関してはこどもちゃれんじでも「親子ですくすく」という冊子を届けてくれます。
辞めやすさの比較
通信教育の宿命として「やらなくなったら退会」というドライな対応は避けられません。退会するときに手続きが難しかったり、退会の電話を受け付けてもらえないなどというのは大変なストレスです。少なくとも今回の三社についてはそういった退会しづらさはありません。安心です。それを踏まえて、より退会制度が充実しているサービスを評価しました。
辞めやすさ:退会方法
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 | |
ウェブ | |||
電話 | |||
FAX | |||
備考 | 2ヶ月縛りあり | 1ヶ月から退会OK | 1ヶ月から退会OK |
詳しい退会方法については関連記事にまとめてありますので、ご参照ください。
- 関連:こどもちゃれんじ退会マニュアル完全版
- (準備中)ポピー退会マニュアル完全版
- (準備中)がんばる舎退会マニュアル完全版
辞めやすさ:休会の可否
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 |
こどもちゃれんじだけは休会制度がありませんが、再入会時にも入会金は発生しないので問題はありません。
まとめ
以上の比較項目から、おおまかにどんな人にどの通信教育がおすすめなのかを次のようにまとめてみました。
経済的な負担別のおすすめ
- 余裕があるなら、こどもちゃれんじをメインにして、副教材としてポピーかがんばる舎を利用する
- 副教材までは必要ないなら、こどもちゃれんじ
- 1,000円前後で押さえたいけど、勉強っぽさを控えたいなら、ポピー
- 1,000円前後でしっかり勉強らしいものを選びたいなら、がんばる舎
一緒に学習に取り組む時間別のおすすめ
- 忙しいので付きっきりでは学習してあげられないなら、こどもちゃれんじ
- 一緒に学習する時間を15分くらいなら落ち着いて取れるなら、こどもちゃれんじかポピー
- じっくり一緒に親子で学習できるなら、がんばる舎
色々な刺激を与えてあげたいという視点別のおすすめ
- 冊子だけではなく映像や音楽など多角的に刺激を与えてあげたいなら、こどもちゃれんじ
- 冊子で十分だが、子供らしい教材を整えてあげたいなら、ポピー
- あまりエンターテイメント性は高めずに、知識が吸収できる学びを与えてあげたいなら、がんばる舎
その他のおすすめ軸を並べてみる
こどもちゃれんじ | ポピー | がんばる舎 | |
毎月払い | 2,074円(税込)〜2,379円(税込) | 980円(税込) | 800円(税込) |
一括払い | 生まれ月による〜23,760円(税込) | 11,170円(税込) | 8,800円(税込) |
支払い方法 | クレジットカード、口座引落、郵便振込、コンビニ振込 | クレジットカード、口座引落、コンビニ振込 | 口座引落、郵便振込、コンビニ振込 |
多角的な構成か | |||
期待できる成長 | 子どもの「やりたい」気持ちを引き出し、「自分でできる力」を伸ばす | 家庭学習を支援して「自ら学ぶ力」と「学習習慣」を身につける | 親子がいつも一緒にリビング学習をすることにより親子の絆も深まり、家庭環境をよくする |
教科のバリエーション | 伝える力、数量・形の理解、科学する心、人との関わり、習慣づくり、表現する力 (副教材オプションとして、英語、知育、表現、リズムダンス、読み聞かせ) | こころ、あたま、からだ、しつけ | 言葉、数・量、図形、記憶、知識、作業、よみもの |
一人で遊べる度 | |||
サポート体制 | |||
退会しやすさ | (ただし2ヶ月縛りあり) | ||
休会の可否 | |||
公式サイト | こどもちゃれんじへ | 幼児ポピーへ | がんばる舎へ |
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